闇金業者へシステムを納品してしまった社長の話

ヤミヤミへ寄稿された、体験談を紹介します。

 

■今回の闇金体験者af9940089559m

都内のインターネット会社で働く35歳会社員
匿名
昭和55年生まれ

ーーー

インターネット業界で働く私には、闇金業者の知り合いがいる。

知り合いと言っても、融資を受けているわけではなく、その闇金業者は闇金だけではなく不動産業に出会い系サイトなど多角的にビジネス展開をしている。

 

闇金業者と知り合いになったのは、取引先のインターネット会社の社長の紹介で知り合いになった。取引先のインターネット会社の社長は、その闇金業者が運営する出会い系サイトに、出会い系サイト用のシステムを納品したらしい。

話を聞いた時、自分ならそんな取引はしないなと思ったが。いくらビジネスとは言え裏社会での仕事をしている人間にシステムを納品するなんて。後で何かあったらどうするんだろう。などと。。。

 

その予感が的中するまでに1年もかからなかった。

闇金業者を紹介されたときに名刺交換をしており、会社にいきなりその闇金業者から電話がきた。電話がきた時、誰だか分らなかったが、独特な声を聞いてすぐに思い出した。

あぁ、あの時の闇金業者か。

 

とりあえず、電話で話を聞いてみると、その知り合いのインターネット会社の社長と連絡が取れなくなったらしい。

そんなことで、会社に電話されても困るが、仕方がなく詳細を聞くために闇金業者と会うことになった。

 

食事でもしながら話を聞きたいと言うことだったが、変な借りを作りたくなかったので、その闇金業者の事務所で会うことになった。

 

事務所の住所を聞き、事務所に行くと、事務所と言うよりは単なるワンルームマンション。

ワンルームマンションに事務机が5つと応接用のソファ。

ずいぶん簡素な事務所だなと思いながらも、応接用のソファに案内(と言っても玄関の前に置いてあるので、案内でもなんでもないが)された。

 

話を聞いてみると、出会い系サイトの運営がうまいこといっていないらしく、半年以上人件費やサーバー代、広告費を含めると赤字続きで困っているとのこと。

その話を納品した知り合いのインターネット会社の社長に相談をしたところ、それから全然電話をしても出る事がなく、その会社に行っても、相手にされないとの事。

闇金業者の言い分としては、納品時に必ず儲かるし、サポートもちゃんとするからと言われて、600万円でシステムを購入したらしい。

それが、赤字続きで、システム代の回収が出来るどころか、どんどん赤字が増えていて、総額が800万ぐらいの赤字になっているらしい。

詳しく話を聞いてみると、運営を始めてちょうど10カ月、運営スタッフとして1名を雇っていると。つまり、システム代を除いて10カ月で200万の赤字。スタッフの給料が20万だとすると、広告費0円ということになっている。
広告をかけなきゃ誰もそのサイトを知ることがないだろ!と正直思った。

 

で、その闇金業者は知り合いのインターネット会社の社長にも責任があるから、その社長から赤字を含めた800万円を回収したいとの事。

 

で、その闇金業者が連絡をしても相手にもされないから、会う機会をセッティングしてほしいらしい。

正直、そんな事に関わり合いたくないし、何かあった時に、今度はこっちにまで被害を受けかねない。

 

数分いろいろと聞いてから、

『申し訳ないんですけど、僕自身には正直全く関係ない話ですし、その社長とも仕事上、長い付き合いをさせてもらってます。事実関係を聞いてみないとわからないですし、契約書等も残っていると思いますので、お会いする機会をセッティングさせていただく前に僕がその社長と話をして、その社長の話を聞いてみます。それから、セッティングするか、しないかを決めさせていただいてもいいですか?』

と言った。

 

闇金業者は、しぶしぶ了承した。

闇金業者の事務所を後にした僕は、その社長の携帯電話に電話をしてみた。

話を聞いてみると、確かに、600万円で納品をして、広告費をちゃんとかければ世に知れ渡って、儲かると言ったとのこと。

インターネット業界では、どんなに良いサービスでも認知されなければ埋もれてしまい、

投資が無駄に終わってしまう。

確かに間違った事は言っていない。

いろいろと話した上で、自分のところに闇金業者から連絡があって、社長と会う機会をセッティングしてほしいと言われている、正直、自分を巻き込まないでほしいと話をしたところ、自分が同席するのであれば、闇金業者と会う事を了承した。

 

了承してもしなくても、自分が巻き込まれるのは嫌だし、こんな話はさっさと終わらせてほしいと思いながら、闇金業者に連絡をし、自分が同席をするのであればセッティングを了承したと伝えた。

セッティングをした当日、先にその社長と自分が待ち合わせをしている喫茶店で契約書を確認した。

確かに、契約書上はなんら問題がない。後は、言った言わないの話になってくるなと予測が出来た。

待ち合わせ時間から数分後、闇金業者が来た。グレーのストライプのスーツ。いかにもという感じの格好でガニ股気味に登場。

こっちの考えで問題の焦点は、広告費についてしっかりと説明をしたのかという点だけであったが、話が始まると闇金業者の言い分は、儲かると言ってシステムを買って人件費までかけて800万円を損している。その社長が800万円を被れの1点張り。

いろいろと調べているらしく、その社長の実家、自宅、家族構成まで調べ上げていた。

そして、その闇金業者は、1枚の紙をカバンから出してきた。

金銭貸借証書

その社長に、これを書けとのこと。

その社長は、

『書けません。お金を借りてもいないですし、書かなくてはいけない理由がわかりません』

闇金業者は

『お前が儲かるといったから、投資した話だろ!儲かってないんだからお前が責任をとれ』

内心僕は、投資って言ったよな。投資って必ず儲かるって保証はないし、損する可能性があるのが投資なんだけどな。投資して損をしたから投資先に責任を取らせてたら、投資自体が存在しなくなるんだけどな。

書け、書きませんのやり取りが30分前後続いたところ、闇金業者が

『じゃあ、全額とは言わない、800万のうち、半分の400万円を返せ!もしくは、借用書をまけ』

と言いだした。

社長はしばらく考えたのち、しぶしぶ了承した。

『今すぐ、400万円は返済できないので、借用書を書きます。ただし、返済の際は彼(自分)が同席の元返済をします。』

そして、社長は、400万円の借用書にサインをした。

 

そこから、社長は奈落の人生に落ちていくこととなった。

最初の返済日の数日前に社長から電話がかかってきた。とりあえず、400万円のうち、50万円を返済するとのこと。

返済日当日、喫茶店にて50万円を闇金業者に返済をした。

50万円をしっかりと数えた後、闇金業者が言った。

『50万返済してもらったから、あと430万円の残金となるな!』

社長も自分も耳を疑った。400万円から50万円引いたら、350万円となるはずなのに、なぜか、減るどころか増えている。

社長が

『どういうことですか?400万円から50万円ひいたら、350万円ですよね?なぜ430万円になるんですか?』

すると、闇金業者は半笑いで借用書を見せてきた。

『ここを見てみ!利息は月に2割と書いてあるだろ!だから、今回の返済は400万に2割を足した480万円から50万円を返済したかたちになるんだよ!』

完全に社長ははめられた形となってしまった。

社長も

『そんな事は説明も受けていないですし、そもそも月に2割の利息って完全に違法ですよね!』

『そんなんだったら、僕も今回の件、弁護士と警察にも相談します!』

闇金業者は

『おう、勝手にしろや!』

『うちらは、弁護士も警察もどうでもいいと思ってるし、相談して仮に俺が捕まっても、他の奴が回収することになるからな!』

『お前の自宅、実家、家族構成全部、こっちはおさえてあるんだぞ』

『誰からでも回収するからな!』

完全に脅迫?恐喝?恫喝?になってきた。社長には悪いが、さすがに巻き込まれたくないのでその場を立ち去りたいと思った。

社長は、

『とりあえず、今日は帰ります。また連絡をします』

と言って、自分を連れて喫茶店を出た。

 

喫茶店を出て、社長は自分に相談をしてきた。

『どうしたらいいと思う?400万だったら、まだいいけど月に2割の利息まで取られて、家族構成とかまで調べ上げられてたら、あいつら何をするかわからないよな』

『確かにそうですね。でも、一度弁護士に相談した方がいいんじゃないんですか?』

『弁護士に相談したのがばれたら、何をしてくるかわからないだろ?』

そんなやり取りを1時間近くして、結局答えが出ずに、社長と別れることとなった。

 

数日後、社長から連絡が入った。

弁護士にも警察にも相談をせず、早く借りている形になっているお金を返済することにすると。そして、200万を近日中に返済すると事。

 

200万の返済当日、200万を持って、社長が闇金業者に自分の前で返済をした。

この時点で430万に対して、2割なので、86万の利息がついている。

つまり、516万円の借金に対して200万円を返済したことになる。残金は316万円。

これまで250万円を支払って、実際に減ったのは84万円。しかも、来月には63万ぐらいの利息がつくので、まだ400万近い金額が残っている事になる。

 

次の返済に社長はいろいろなところからお金をかき集めてきて300万円返済した。

残金は100万円。しかし、実際にこれまで支払ったのは550万円。

返済後、社長と話をしながら、あと100万といっても、月に2割の利息だと、次20万以上返済しても少ししか返済したことにしかならないから、早く100万でも用意して返済した方がいいですよと伝えると。

もう、どこにも金を借りる事が出来ないとの事。そして自分に金を貸してほしいと話をしてきた。貸してもよかったが、その社長の会社自体も従業員を解雇したりして業績が悪化しているのを聞いていたので、断ることにした。

 

次回の返済日、社長は50万円を返済した。残金が100万円で月に2割の利息なので、120万円から50万円が返済されるかたちとなり、残金は70万円。しかし実際は84万円。

これまでの返済額も600万円。このままいったら、闇金業者が自称投資をしたというサイトの赤字分全部回収できてしまう。きっと闇金業者は最初800万円の借用書を見せて、400万円にすることで借用書を書かせて、800万円を回収するつもりだったんだろう。

しかし、いまさらどうする事も出来ない。

 

しばらく、この件を忘れて日々の業務に追われていた時、会社に闇金業者から連絡が入った。話を聞くと、その社長が飛んだらしい。飛んだってどういうこと?と思いながら、またマンションの一室にある闇金業者の事務所に行って話を聞くことになった。

 

闇金業者が言うには、ここ数日連絡が取れなくて、社長の自宅に行ったが誰も出ることもなく、数日張り込んだみたいだが、電気もつく事がなかったらしい。

 

今度は自分を巻き込んでくるのか?と思いながら、

『で、自分にどうしてほしいんですか?これまで出来る協力はしてきましたけど、月2割の利息の話も僕はおかしいと思っていますし、これ以上、申し訳ないんですけど協力することは出来ないです。』

と伝えた。

 

すると、闇金業者は

『たいしたことをしてほしいわけではなくて、あいつの自宅に一緒に行ってインターホンを押してほしい』

カメラが付いてるから、自分だったら出てきてくれるかもしれないとの事。

それぐらいだったら、と思い、しぶしぶ了承した。

 

そして、その闇金業者の事務所を後にした後、社長の会社に行ってみることにした。

会社を訪ねると、平日なのに鍵がかかったままでノックをしても誰も出てこない。

そして、その会社の隣の事務所の人が出てきたので、聞いてみると、ここ数週間出入りを見ていないとのこと。完全に飛んでしまったな。。。と思った。

 

でも、高校生の息子もいるし、さすがに家族で夜逃げはないだろと思い、社長の携帯電話に電話をすると、使われていなかった。ますます、飛んでしまった可能性が出てきた。

 

闇金業者との約束の日に直接、社長の自宅を訪ねるが、結局誰も出てこなかった。

 

闇金業者は高校生の息子がいるということも知っていて、その高校に行くことになった。

高校に行くと、ちょうど帰宅時刻の高校生たちがぞろぞろといたので、社長の息子の名前を言って、最近学校に来ているかを聞くと、来ているとの事。

内心安心した。

 

つまり、自宅を出てどこかに潜んでいるか、実家にいるかのどっちかになるだろうと思った。もちろん、闇金業者も同じ考え方だった。

 

そして、そのまま闇金業者と一緒に、その社長の実家に行くことになった。

実家に行き、しばらくクルマの中で待っていると、社長が姿を現した。

 

現した瞬間に闇金業者はすぐにクルマを降りて、社長を捕まえて、クルマの中に連れてきた。

 

クルマの中で話をすると、会社も閉鎖して自己破産をするとのこと。

確かに、自己破産をしたら、闇金業者の借金もチャラになるし、イイ考えかもなと思った。

 

その話を聞いた瞬間に闇金業者は

『お前、嫁と子供いるだろ!今から会わせろ!』

 

ここまでくると、正直、自分も付き合いきれないので、

『申し訳ないですけど、もう自分はこれ以上関わりたくもないので、帰らせてもらいます』

闇金業者は

『お前、ここまで関わったんだから、最後まで責任もってくれないと困るわ』

と言ってきた。

 

自分は

『関わってきた?自分が責任ですか?申し訳ないですけど、そちらが勝手に巻き込んできただけじゃないですか。』

 

闇金業者は

『これが最後だから、これだけ付き合ってくれ』

と言ってきた。

仕方がなく、了承した。

 

実家に入ると、社長の嫁さんがいた。

居間に通されて、お茶を出されて、今までの経緯を説明をすると、社長の嫁さんは全部知っていた。

そして、社長の嫁さんは

『もうこれ以上、私たちに付きまとわないでください!』

と一言言った。

闇金業者は

『申し訳ないけど、それは出来ないわ。で、用件だけ話すと返済をしてくれないと困るし、社長が自己破産をするんであれば、借用書を奥さん名義に書き換えてもらえないか?』

社長の嫁さんは

『お断りします。そもそも今回の件はおかしい事が沢山ありすぎます。』

そんなやり取りをすること30分ぐらい。話がまとまるわけがない。

タイミング悪く、社長の新しい携帯電話が鳴った。

闇金業者はすぐにその電話を取り上げて、新しい社長の携帯電話番号を入手し、その新しい番号を僕にも教えてきた。

 

ここからは、闇金業者から聞いた、自分自身が関わらなくなってからの話である。

その後、闇金業者と社長と社長の嫁さんが話し合いを繰り返して、残金の借用書を社長の嫁さん名義に切り替えて、念のため、日付を入れずに息子からも借用書をとったらしい。

そして、今でも、毎月数10万の返済をしているらしい。

 

社長は自己破産をして、これまでの取引先も全て失った。

 

今回、闇金業者の裏側を垣間見た気がする。

不動産業など多角的に経営をしていても闇金業という裏稼業の世界にいる人間は考え方が世間一般の人と考え方が違う。警察、弁護士どうでもいい。お金が全て。

自分が間違っているかどうかわかっているかどうかはわからないが、クロでもシロにしてしまい、世の中は自分が考えた通りに物事が進むと考えているに違いない。

 

今回の社長は正直運が悪かったともいえるが自己責任でもある。

当時出会い系サイトは膨大な収益をあげていたが、絶対に儲かるとかサポートをするということを口軽々しく言ってしまったのが、そもそもの間違いである。

 

言った言わないはこの世の中でよくある話であるが、相手が悪かった。

不動産業を表稼業としてやっていても、見るからに闇金業者だし、事務所に言った事があるならなおさらである。

自分が事務所に行っている間にも数人が返済に来たりしていたし、それを実際に見ていてもおかしくない。そこに気がつかなかったのは社長の自己責任である。

社長と言っても従業員数名の小さい会社だったので、600万円のシステムを販売出来る。しかも即金とのことで、食いついてしまうのも仕方がない。

しかし、目先の金を追いかけてしまったせいで、こんな人生となってしまった。

 

人生何があるかわからない、いくら知り合いになったからと言ってもすぐに近づいたり仲良くなるのはどうなのか?と思った。社長には悪いが自分にとってはいい経験をする事が出来たとおもっている。

 

どうしてもお金に困って、借用書を書くときは、利息や金額など細かい部分を確認してからサインをするようにしよう。

といっても、お金に困らないように身分相応の生活をしていればそんな事はないと思うが。

(その社長も身分相応の生活をしていたのだが、会社の利益を考えすぎてしまったのだろう)

 

ちなみに、闇金業者が数回目の社長の返済の時に言っていた『あの時に、弁護士とか警察に走られていたらヤバかったわ』という一言が心の中で今でも残っている。

強気に出ていても、実際には怖い部分がある。それが闇金業者にとっては弁護士と警察だった。

 

 月2割の利息も出資法でも利息制限法でも違法なはずです。
もし、この様な世界に巻き込まれてしまったら、すぐに警察・弁護士に相談をするようにしてください。
絶対に、闇金業者のペースにハマらず、自分自身をしっかりと持って、相談をすれば、闇金業者も足を引くはずです。

 

 

 

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