【第三部】事業と女で失敗した私の壮絶過ぎる闇金体験談(闇金ストーリー壮絶返済編)

ヤミヤミへ寄稿された、体験談を紹介します。

 

山岡さんより投稿いただいた体験談を三部作でお届けします。
闇金体験談(山岡さん)

  1. 闇金まっしぐらの借金奈落落ち編
  2. 闇金借入すったもんだ編
  3. 闇金ストーリー壮絶返済編 ←現在のページ

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■500万円という現金の重さ

 

闇金から500万円の現金を受け取った私の足取りは決して軽いものではありませんでした。

 

てっきりお金は銀行振り込みかと思ったのですが、おそらく何らかのアシがつくのを恐れたのでしょう。闇金屋は私に100万円の札束を5つ直接手渡してきたのでした。

 

事業をやっていれば500万円や1000万円の金に動揺をする事はありません。言ってみれば見慣れた金です。

 

ですが、今回は事情が違います。

 

怪しげなマンションの一室で、明らかにカタギの人間とは思えない若い男に頭を下げて、かつ、親に嘘をついて、両親や実家を危険な状態に陥れてやっと手にした500万円です。

 

親に印鑑証明を預かりにいった時には、「借りること」にとにかく必死でしたので冷静さを失っていたのですが、現金を目の前にして少し安堵したのでしょう(安堵というのもおかしい話なのですが)、急に自分が借り入れをするまでに行った愚行が思い起こされ、目の前の500万円の重みが急激に大きなものになってしまったのでした。

 

闇金屋の店長上田は私の顔を見ながら、「金利はトイチだから、10日後には50万円最低入れて下さいよ。本当は元本も10回払いで返してもらう契約だから、10日後に必要になる金は本当は100万円だ。だが、私も鬼じゃないからね。元本の返済は1ヶ月後からでいいよ。ただ、金利分だけは10日ごとに入れてもらわないと、とんでもない事になるから、それだけは注意して下さいね。いいかい?」と、殺意ともとれる妙な鈍い眼光を放つ目線を私に送りながら、冷静に返済に関しての指示を送ったのでした。

 

1万円札を500枚数えて(実際には銀行員、もしくは事務の女の子がお金を数える役目でしたので、私が人生で500万円もの一万円札を一枚一枚数えたのは初めての経験でした。何千万もの取引をしてきた私ですが、実際に自分の手で500枚もの一万円札を数えてみると、ものすごい量の金である事が実感されたのでした。)、受領書にサイン。その受領書を上田に手渡して、借り入れの手続きは完了です。

 

闇金屋に足を踏み入れて、親から印鑑証明などを預かり、テンヤワンヤしたのはたった一日の出来事だったのですが、なぜか1週間くらいの濃密な時間だったような気がしました。

 

妙な話ですが、闇金に出入りするようになって初めて、お金というものに対する実感や金のありがたみが本当にわかったような気がしていたのでした。

 

■500万円の手切れ金を手渡す。

 

私は闇金から借りた500万円を手にして最寄りの駅に向かい、その駅から携帯で私が孕ませた女のもとに電話をかけ、金を手渡す旨を伝えました。

 

女はすぐに向かうと言って、私に、電車で二ついったところの喫茶店に来るように指示をしました。

 

1時間ほど待っていたでしょうか。男を連れて彼女がやってきました。

 

私は「500は用意した。これですべて示談にしてもらえるんだな」と男に告げました。

 

今回の闇金との取引を通じて、私はより契約関係の「紙に残す事の大切さ」を身をもって知っていましたので、逆に念書を書くように男に伝えました。

 

「○○(女の本名)に関する妊娠についての医療費および慰謝料等全ての費用として、500万円を確かに受領した。この500万円を持って、今後一切の請求行為等は行わない旨、ここに約束する」

 

そのように書くよう伝えると、男の顔色は変わりました。

 

おそらくそのように私がきっぱりとした態度をとるとは思っていなかったのでしょう。私も明らかにその筋をわかる男に対して、「念書を書け」と指示するのにもの凄い勇気を必要としました。

 

たぶん、念書を書けと伝えた時には、私の声は少し震えていたかもしれません。

 

ですが、まず金の問題を解決するよりも、女とこの男との縁を完全に切ることが先決です。

絶対に残してはならない関係ですから、金を借りるときよりも、この男との交渉に私は馬力を使いました。

 

「わかった。じゃあ、今回の念書で全てチャラにしてやるよ。ただ、本当に500万持っているんだろうな?」

 

男が私に問うので、私は実際に現金を男に見せ、「念書と交換して欲しい、そして、彼女と5分間だけ二人で話をさせて欲しい。それで全てを終わりにして欲しい」そう告げました。

 

男は少し困った顔をしていましたが、私に「いいだろう」と告げて、念書を作成し、サインをしました。

 

印鑑証明もないこの念書にどれほどの法的な根拠があるのか今でも不明ですが、男もその筋では下っ端の方の人間だったようで、「念書」という言葉に少し動揺をしていたようでした。

 

※今回、一連の闇金とのやりとりでもさんざん登場してきたこの「念書」というキーワード。普段の生活ではあまり接触する事のない言葉ですが、修羅場のシーンでは頻繁に出てくるのがこの「念書」というものですので、皆さんもどんなものであるのかだけは、概略だけでも勉強されておくと良いかと思います。

 

自分を追い詰めるものでもあり、自分を助けてくれるものでもあるこの「念書」というもの。

 

「念書」というハッタリが功を奏し、私は、この女と厄介なその夫との縁を切ることができたのでした。

 

夫は聞き分けは良い人間のようで、「約束だから」と金を持って先に店を退出し、私と私が孕ませた「以前の彼女」を二人だけにしてくれました。

 

1分ほどの沈黙がながれ(もの凄い長い時間に感じました)、私は一言、「ごめんな」と彼女に告げました。

 

今にして思っても、なぜ「ごめんな」という言葉が出てきたのか定かではありません。ですが、彼女の目は明らかに「私も脅されていて」と私に訴えかけてきているように感じたので、私はそのような言葉を発したのだと思います。

 

「本当にあなたの事は好きだったの。でもね」と彼女が口にしたところで、「もう帰ろう」と私は彼女に告げました。

以前のような美貌とは別人のようにやつれてしまった彼女を見ていて、なんだか悲しい気分になってしまった私。

 

最後に私の事を「好きだった」と彼女が言ってくれたおかげで、なんだか気持ちは吹っ切る事ができました。

 

私はレジで会計を済まし、彼女を残して店を後にしました。外では夫が待っており、私と目が合いましたが、お互いに言葉も交わすことなくその場を後にしました。

 

一番切りたかった人間との因縁が、ここで完全に遮断をされたのでした。

 

■一縷の望みの金のアテが絶たれた!

 

私が孕ませてしまった女と、その夫と称する厄介な世界に身を置くと思われる男との関係が一切切断できて、私は少し良い気分になっていました。

 

まだ闇金から500万円もの借金をしている身である事は変わりがないのですが、人間とは妙なもので、2つ重いものがあると、気持ちの中では100個も200個もの重荷を背負っているような気持ちになります。

 

ですが、それが「あと一個だけ」となると、俄然モチベーションとファイトが出てきます。こういう感覚は修羅場を通過しないとなかなか経験できないものだと思いますが、今後の私の人生では非常に役立つものになりました。

 

「重荷は複数は持たない。複数背負ってしまった場合は、一気に全てを解決しようしてはいけない。もし重荷を複数背負ってしまった場合は、全力で一つだけにするようにする。そうすると、戦うモチベーションが沸き立ってくる」

 

高い高い授業料を払って私が身をもって学んだ事ですが、今後の人生でも役立つマインドマネジメント術として私の財産になっています。

 

話を戻します。

 

重荷は「闇金の借金を返す」という一つだけになり、俄然やる気になっていた私ではあったのですが、やる気だけではお金は入ってきません。

 

私は一縷の望みをかけていた交渉半ばの焼却炉売買の交渉成立に全力で臨む事にしたのでした。

 

海外製の少し安価な焼却炉を導入するか、それとも私が仲介して扱う日本製の焼却炉を導入するか。

 

交渉相手の会社はそこだけを決めあぐねていました。

 

私はすでに死に体の私の会社(名刺上は以前の事務所の住所、ホームページの住所も以前の事務所の住所のまま。ですが、実体的な事務所はすでになく、私の自宅のマンションが事実上の私の会社の住所になっていました)とギリギリの状況の私自身、そしてなけなしの手元の10万円前後の現金を頼りに、相手の会社の社長と直談判を行いました。

 

「社長、なんとかうちに決めて下さい」

 

その時に、そこで言われた言葉は衝撃的でした。

 

「契約はやっぱりおたくで決めようと思ったんだよ。でも、億単位の支払いが生じるから、最終的に信用調査会社におたくの会社調べさせた。そうしたら、今現在、全く実体のない会社になってしまっているじゃないか。小ぎれいな事務所で、小さいながらもよくまとまっている会社、あなたも若いけどしっかりしてそうだと思ったから私は決断をしようと思ったんだけど、この状態ではとても契約はできないよ。電話だって今はボイスワープだろう?これでは億単位の仕事の契約なんてできるわけがないだろう。今回は申し訳ないけど、契約はできないよ」

 

そうです。私が甘かったのです。

 

すでに死に体、虫の息になってしまっている会社を相手にしてくれるほど、世の中の商取引は甘くはないのです。

 

実体的な事務所は既にない、事務員もやめてしまっている、電話もボイスワープで携帯が頼り(だから、固定電話からの発信はできない)、代表取締役(私)の所持現金(つまり会社の金)は10万円の企業が億単位の契約を行うことなど、完全なる夢物語である事を私は思い知らされたのでした。

 

そうです。この時点で全ての望みは絶たれました。

私は闇金からの借金を返す金のアテを全て失ったのです。手元には10万円。とうてい500万円なんて大金に手が届く金額ではありません。私は途方にくれ、そのまま居酒屋で朝まで酒をかっくらい、気を失うほどその日は酒を飲んでいたのでした。

 

■金利の返済が指定日に少し遅れただけで、壮絶な恐怖

 

それから最初の金利の支払日である10日目まで、私は何もしないで過ごしました。

 

心の重荷は一つになってはいたものの、どうにも金策に走る気持ちにはなれないでいました。1%も望みがないことはわかってはいましたが、ですが焼却炉の商談がまとまる確率は0%ではありませんでした。

 

ですが、今は完全に0%です。

 

完全にノックアウトされたボクサーのように、完全にやる気を失ってしまった私は、食事もろくにとらずに10日間、何をして過ごしていたのか今でも思い出せないほどの放心状態で10日間を過ごしていたのでした。

 

10日目の朝に、きっちり図ったように携帯電話の電話が鳴りました。

 

「上田です。今日、金利50万だけは入れてもらう日ですけど、振り込みは困るんで持ってきてもらえますかね?」

 

言い方はソフトですが、「おまえ、払わなかったらどうなるかわかってんだろうな?」という上田の腹の中の本性が声から伝わってくるような言い方でした。ソフトな口調な分だけ、余計に恐怖を感じました。

 

「午後には持って行くから、ちょっと待ってて下さいよ」

 

私はそう答えるのが精一杯です。

 

素直に払えない旨を電話で伝えた方が良いのか、事務所まで出向いて土下座して待ってくれるように頼みにいくか、それとも夜逃げするか、このまま籠城して知らぬ存ぜぬで通すか。

 

私の頭の中は既に戦略立案能力や判断能力を失ってしまっていましたので、何もものが考えられない(考えたくない?)状況になってしまったいました。

 

あっという間に午前中の時間は過ぎ去り、午後の4時頃だったでしょうか。

 

催促の電話も来ませんし、午後になっても取り立てにも来ないので、私は「今日は支払いは無理だとおもって、1日は様子見で時間をくれたのかな」などと相変わらず世間知らずな事を考えていたのでした。

 

そんな時にマンションのドアホーンがなりました。

 

ドアののぞき窓から見ると、明らかにマトモではない若い男が玄関の前に二人立っています。そんな男が二人、私を訪ねてくる用事は一件だけしかないはずですから、上田の部下である事はすぐにわかりました。

 

私は無視(というか、出る勇気がなかった)を決め込んだのですが、ドアホーンは頻繁に鳴り、ノックの強さもどんどんと強くなり、最後の方は明らかにドアを蹴っている音です。

 

ノックをするだけで声を発しないのが逆に怖かった。

 

あまりに強くドアをたたくものですから、隣部屋のおばさんが何かあったのかと飛び出してきたようで、外でなんだか話をしているのが聞こえてきました。

 

「うるせえ、すっこんでろババア!ここの住人が貸した金返さねえで知らん顔してんだよ」

 

外で大声で怒鳴りつけている男の声がいやでも耳に入ってきました。

 

サラ金規制法で相手に恐怖を与えるような取り立て行為は禁止されているのは私は知っていましたが、相手は「サラ金」ではありません、「闇金」です。正規の免許を受けた業者ではありませんし、百歩譲って闇金業者だったとしても、借りた金はその「業者」からもものではなく、上田本人から借りた「個人貸与」です。

 

個人貸与に関して、サラ金規制法も何もあったものではありませんから、私を守ってくれるものなど何もないわけです。

 

しびれをきらした男二人が、外で怒鳴っています。

 

「○○さん!上田さんの金、返して下さいよ。いるのわかってんだぞ。ドア蹴破って器物破損だ、不法侵入だなんだって騒いだって、俺たちどうってことない人間だってわかってんだろう?開けろよ、いるのわかってんだぞ」

 

大声で怒鳴るものですから、近所の住人もなんぞやと表に出てきてしまっていました。万事休すです。恐怖で全身が震えていましたが、私はドアを開けました。

 

「困るんだよな。いるなら応答しろよ。午後にはなんとかなるっていうから、上田さん、事務所で待ってるんだぜ。あの人見た目はソフトだが、何するかわからん人だからな。どうなんだよ。とりあえず50でいいから渡さねえと、俺たちだって帰れねえんだぜ」

 

「すいません。アテにしてた入金が駄目になってしまって。あと1週間だけ猶予をもらえれば、なんとかしますから、今日は近所の目もあるので、1週間の猶予っていう事で上田さんに伝えてもらえませんか」。私は結構度胸が据わっている人間だと思っていたのですが、明らかに目つきのおかしい若い二人の男の眼光の前に、全身の震えが止まりませんでした。

 

人間、殺意のある目で睨まれる事など人生でそうあるものではありません(当然ですが)から、免疫などあろうはずもありません。全身の震えが止まらず、恥ずかしながら、「お漏らし」をしてしまうかと思うほどの恐怖を感じていました。

 

男は言いました。「ここじゃなんだから、とりあえず事務所に行こうかよ。」

 

私は直感的に「これはヤバいな」と感じたのですが、逃げようにも体の震えは止まりませんから、歩くのもやっとの状態です。

 

二人の男に抱きかかえられるようにして(さすがに暴力的な事はしてきませんでした。ですが、私の腕の掴み方が凄く乱暴でした)、私は車に乗せられ、上田の事務所に誘拐のように連れ去れていったのでした。

 

上下ジャージで無精髭も生え放題。マンションの鍵だって閉めてない状態で車に乗り込まされたのでした。

 

■冷静さが怖い闇金業者の店長

 

事務所に着くと、上田が一人で椅子に座って私を待っていました。

 

「○○さん、困るんですよね。あんたを信用して個人貸ししてるんだからさ。返せないなら、せめて一本詫びの電話を入れるのが筋ってもんじゃないですかね?」

 

いつでもこの男の口調は冷静でソフトです。それが逆に恐怖をあおります。私は「何をされるんだろう。ナニワ金融道で読んだような事か」と恐怖が止まりませんでした。

 

上田は冷静に、一枚の書類を取り出して、私に見せました。

 

「これ、○○さんが書いた念書ね。ここよく読んでよ。1日でも返済が遅れた場合には、自宅の売却によりこれを返済に充当するものとするって、あんた書いたよね。警察でも裁判所でも行ってもらってかまいませんよ。こっちは実印も印鑑証明も預かっているから、最高裁の裁判長も私が正しいっていいますよ。どうなんですか?返済のあてなんてないんでしょう?」

 

私は迷いました。強気に出て返せるというハッタリをぶつけるべきか、土下座して情に訴えるべきか、それとも大立ち回りをしてしまうのがいいのか。

 

ですが、上田はそんな余裕も与えてはくれませんでした。

 

「今から、実家にいきましょう。ご両親には私が事情を説明します。念書も印鑑証明も全部預かってますから、有無はいえませんよ。すぐに自宅の売却に入ってもらいますよ」

 

冷静な口調が私にさらなる絶望を与え、恐怖感も煽ります。

 

「両親に言うのだけは勘弁して欲しい。急にあなたが出向いて、そんな話をされたら、どれだけびっくりするか。父親も母親も血圧に問題があって、心臓も良くないんだ。それだけは勘弁してもらえませんか?何か代案は考えますから」

 

と私が言うと、それまで冷静だった上田が、「てめえ!なめたこといってんじゃねえぞ。眠てえこと言ってっと、詐欺罪でお前を訴える事もできるんだぞ!返せるアテなんか最初からなくて俺から金借りたんだろう?それを詐欺っていうんだよ!俺たちと警察とどっちが怖えと思ってんだよ。警察の取り調べなんてこんなもんじゃねえんだぞ!」

 

初めて言葉を荒立てた上田の迫力はもの凄いものでした。

 

頭が真っ白になると良く言いますが、そのときの私がまさにその状況でした。

 

インテリ系の人間が言葉を荒げるとこんなに怖く感じるものなのか。私はそのときに初めてそれを思い知る事になったのでした。

 

若い男二人も怖かったですが、上田の迫力はその比ではありませんでした。

 

大声で怒鳴られ恥ずかしながら恐怖で放尿もしてしまった私。立ってもいられなくなり、膝から倒れこむようにしてその場に私は泣き崩れてしまったのでした。

 

「両親に言うのだけは勘弁してください」。そういうのが精一杯でした。

 

■闇金業者にも良心あり?

 

放尿までしてしまい、ショック死でもしてしまいそうな私の状態に、上田も少し動揺したのでしょうか。どうしていいのかわからない様子で困った表情を浮かべた上田が、こう発しました。

 

「じゃあわかったよ。あんたを死なせる事が目的じゃないから。このまま舌でも噛んで自殺でもしないでくれよ。じゃあ、日にちはやるから、あんたが両親に説明して、自宅売却させて金を用意するんだ。ただ、金ができるまで日にちがかかるだろう。何月何日に金が準備できるか、それを私に伝えるんだ。きっちりその日までの金利はもらうよ。私が両親に話をした方が、返済までの日数は少なくなるから、その分金利は安くなるんだが、これは取引だ。あんたが両親へ話すなら、金ができるまでの日数は倍以上かかるだろうよ。だから、その分の金利はちゃんともらうよ。うちもそれで食ってんだからよ。金利計算して返済総額を伝えるから、それをきっちり納めてくれりゃあ、それで良しとさせてもらうからさ。それでどうだい?」

 

上田の方が私よりも何枚も上手のようでした。

 

両親の元に乗り込んで説明するといったのも、今にして思えばブラフだったのだと思います。そう言えば、私が絶対に「それはやめてくれ」と頼むのを読んでいたのでしょう。上田ではなく、私が両親に説明をした方が、金の回収には時間がかかる。でも、時間がかかる分だけ、上田は金利分が儲かる。

 

自分に時間を与えてくれ、最初は、「闇金屋にも良心はあるんじゃないか!」と私は思ったのですが、実際は儲かる金利を1万円でも多くしようと上田は計算をしていたのです。

 

乱暴な事はしない闇金業者ですが、その分、きっちり金を回収する能力には長けている業者。圧力のかけ方もプロの技。良かったのか悪かったのか(超暴力的な闇金も多いと聞いていますので)わかりませんが、そういう闇金業者と私は付き合ったのでした。

 

・・・・・

 

■エピローグ 最後は妹に助けられ

 

その後どうなったかのいきさつは、簡単に書きたいと思います。

 

私は両親に事情を説明し、何度も家族会議が開かれました。涙にくれる両親でしたが、私は全ての事情を正直に話をして、結局、最後は会議に参加した私の妹が、結婚の為にとコツコツ貯めてきた640万を私に貸してくれる事で、全ての問題を解決できる事になったのでした。

 

結局、金利を上乗せした590万円を上田に返済し、私と闇金業者との関係は全て精算がなされたのでした。

 

残った50万円は、「お兄ちゃんの生活再建に使っていいよ」と言ってくれた妹。私は涙が止まりませんでした。

 

上田は自宅売却などの時間で2ヶ月程度は金利が稼げると読んでいたようですが、私が意外にも早く金を準備できる旨を連絡したので、少々驚いていました。残念そうにもしていましたね。

 

繰り返しになりますが、私が付き合った闇金業者が、「闇金の中ではマトモな方」だったのかどうかはわかりません。

 

ですが、ビジネスに徹し、高圧的な事はするものの、暴力的なことは一切しない闇金業者だった点は「良かったこと」だったと私は思っています。

 

こうして、金が自由になり有頂天になっていた私がその後何度も転落し地獄をさまよい、最後は情けないながらも妹に頼って全ての精算を行う事で、地獄のような日々に全ての幕を下ろす事ができたのでした。

 

私のせいで婚期を逃してしまったかもしれない妹。今でもできる範囲で彼女に返済を続けていますが、590万円というのがいかに大金か、身をもって痛感している毎日です。

 

今現在、普通に暮らせている事が奇跡に感じるほど、地獄のようだった闇金と付き合っていた頃の日々。

 

現在も、妹に足を向けて寝られない日が続いています。

 

 

 

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違法な闇(ヤミ)金業者の手口や情報を配信することで、闇金被害にあう方が少しでも減ることを願っています。
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